本舗初音堂の第73回定期会合(2014/7/6)で行った企画です。真矢さんとの合同企画でした。
非常に長文の記事となってしまいましたので、前後編に分け、前編では予め(本番3日前まで)考えていたことを振り返っていきます。
動機と経緯
昨年末の北のイマサラの会合用に、ラントロタイムショックを出題するアプリケーションを作成しました。その後、mutus2で出題リストを作成できるように改良し、リリースすることを思いつきました。
リリースにあたっては、mutus2の開発に携わった真矢さんからいくつかの承諾を得る必要があると考え、その問い合わせを行うついでに、動作テストの依頼も行いました。真矢さんは快く引き受けて下さり、また貴重な意見をいくつかいただき、アプリケーションの改良に役立てました。
一方で、そのアプリケーションのリリースにあたって、デモンストレーションを兼ねて、本舗初音堂の会合でラントロタイムショックの企画を行おうという考えもありました。初音堂に顔を出すのも2年ぶりですから、ちょうどいい頃合いでしょう。JMBマイルのたまり具合がちょうどよかったことも追い風となりました。
ただ、ラントロタイムショックの出題を準備するというのは、なかなか大変なことです。標準的な構成ですと、1セット12問、そして各参加者が1セットずつ挑戦できるようにしようとすると、近年の初音堂会合の参加者が最大で12人であることを考えると、少なくとも144問は用意しなければなりません。これはちょっとした大仕事ですね(数だけ揃えばいいのでしたらそうでもないのですが…)。
そこで、真矢さんに企画を合同で行うことについて申し出たのが、会合まで20日を切った頃の話でした。こちらも快諾いただきました。実際に企画として準備→出題を行ってもらうのが、何よりの動作確認になりますし、そうすることで出てきた問題点というのもいくつかありました(詳しい話はまた別の機会に...)。
合同企画
1つの企画を複数人で行う場合に、どの程度まで連合するのかという点については、いくつかの段階が考えられます。今回は、私が考えうる中で最も"弱い"連合を選択しました。内容としては、以下のようになります。
- 問題セットは、各々が独立して用意する。当日の出題も、その問題セットを用意した人が行う。
- 問題セットごとのテーマ(後述)も、各々が独立に設定する。
- テーマや問題について、お互いのものを摺り合わせて調整、ということもしない。
- 問題は、他の企画者に公表しない。テーマは、本番まで公表しないということも考えたが、企画レジュメ掲載の都合があり、会合前日に公開することとした。
- 以上のルールにより、各企画者も、他の企画者による問題セットを選択することで、企画の参加者となることができる。
というか、最後の点を満たすように連合の内容を設定した、と言ったほうが正しいですね。
「合同企画」と似たニュアンスを持つ言葉に「共同企画」というのがありますが、「共同」という言葉は、問題セットの中身に干渉するようなより"強い"連合をイメージさせる(というか、そういう場合に使うようにしたいと感じた)ため、ここではあえて「共同企画」という言葉は使いませんでした。
ただ、出題者ごとに問題の難易度やテーマの範囲があまりに違うのは問題があるので、私のほうから一応の基準を提示しておきました。以下、打ち合わせメールから引用したものです。
- テーマの粒度は「80年代カバー曲」「ハロープロジェクト」程度。
- ノンセクションの平均正解数は4.5問、テーマ問題の平均正解数は(結果的に)3.5問程度(好んでそのテーマを選択する人で4.0問、得意としない人で1.5問程度?)。
実際にそれを達成できたかどうかという点については、後の項で振り返ります。
テーマ問題と得点
今回、各問題セットはノンセクション問題6問+テーマ問題6問という構成にしました。
- 出題者にとっての問題選択のしやすさ
- 挑戦者にとっては、問題セットの選択がしやすく、ノンセクション問題があることによって、不本意なテーマのセットを選択した場合にも"希望"が残る。
それにともない、「得点」も、単なる正解数ではなく、ノンセクションとテーマの各正解数(に下駄を履かせたもの)の積をとることにしました。と言っても、正解数が同じ場合にノンセクションとテーマのバランスによって若干の差が生じる程度ではありましたが。さらに細かいことですが、得点の最適化を目的とした「下駄」の量の調整も、挑戦の直前に限って認めることにしました。
挑戦順
1人ずつ順番に行うため、挑戦する順番を決める必要があります。先に挑戦する場合は、自分の好きなテーマの問題セットを選択できる可能性が高くなりますが、問題傾向がわからなかったり、他の人の得点に応じた戦略を立てられないというデメリットもあります。ここでは、問題セットが選択できる点を重視し、実力者をなるべく後に挑戦させるという仕様で設計しました(大相撲のように、実力者の挑戦が後になった方が、展開としても盛り上がりやすいという考えもあった)。
具体的には、ランダム要素と投票を併用する形をとりました。挑戦順の決定にクイズ(早押しあるいはボード)を使うという案もあったのですが、問題作成の手間を省くため、また上述の仕様を満たす制度設計が難しいこともあり、採用にはなりませんでした。
なお、企画者の挑戦は、それ以外の参加者の後に行うこととしました。余興のような位置づけと言ってもいいでしょう。